パリにおける仕事・日常生活の忘れな草


by vwpolopolopolo
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大前研一「新・経済原論」

標題の本を取り寄せて読みました。大前氏のことはもちろん知っていましたが、頻繁に本を出しているようで、様々なことをやって忙しい人のようなのに本当に自身で書いている本なのか?と勝手に訝って今まで氏の著書を読んだことがありませんでした。

それが以前、オーストラリア人管理職と少し話した際、「ケンイチ・オオマエが云々」と言ったのを聞いて驚きました。大前氏とはそんなに影響力のある人だったのか・・・と。著書もそもそも数も出しているようですし、国際的な発刊も多々しているようで、そのゆえかと思います。

ともあれ、以下興味深い指摘としてメモしておきたい点です。

・企業(Company)のもつ長期的に維持可能な、競合(Competition)に対する相対的優位性を最大限活用しながら、顧客(Customers)のニーズを満たす、との3つのCを使った戦略の立案が難しくなっている。個別的に大きく変貌を遂げようとしている分野で、しかし相互に連関する事業を複数抱える場合、自社が何なのかを再定義しなければ競合や顧客を定義することが不可能。

・中国は事実上、地域国家の集合体。一つの国民国家として捉えるべきではない。98年の朱ヨウ(金へんに容)基首相による3つの尊重により、「個人財産の尊重」が中国憲法に修正条項として入れられ、事実上の意思決定の権限の多くが既に実績を上げている地域(大連等)へ委譲された。省の代表や市長はこれまでは共産党地方書記よりも格下の扱いであったが、重しが取られ、世界中の資本、企業を引き付ける仕事を与えられたこととなる。

・政治単位というより経済単位の地域国家が今後台頭。近隣から富を奪うのではなく世界中から富を呼び寄せるもの。地域国家勃興可能地域として、海南島、ペトロパヴロフスク・カムチャッキー(ロシア)、バンクーバー・ブリティッシュコロンビア州、エストニア、バルト海の一角(グダニスクからリガにかけてのバルト海沿岸地域と隣接する内陸部)、ホーチミン、ハバロフスク地方・プリモルスキー地方・サハリン、サンパウロ、九州が挙げられる。

大前氏の関心事項は、「お金の流れ」ということで分かりやすいものでした。中国が地域国家の集合体と肯定的に捉えられているのは資本流入という事実を根拠としているからと思います。一方、資本流入以外の如何にも中国的な制度的要因を直視せざるを得ないビジネス関係者、行政官等は中国の負の側面をクローズアップする傾向がある、ということと思います。中国に関しては過度に楽観視、過度に悲観するべきものでもないと思いました。
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by vwpolopolopolo | 2006-12-20 23:30 | 日常生活