パリにおける仕事・日常生活の忘れな草


by vwpolopolopolo
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L'Ivresse du Pouvoir

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標題のフランス映画を観ました。いつものように時間の都合の良いものに行き当たりばったりで入ってみました。

女性予審判事(juge d'instruction)が主人公です。タイトルを直訳すれば、「権力(へ)の陶酔」ということのようです。

予審判事とは、「重大な犯罪について容疑者の尋問や証拠収集を行い、事案を正式な裁判に回すかを判断する裁判官。強制捜査や拘留決定の権限をもち、日本の検察官の捜査・起訴権限の一部と重なる。「大統領よりも権力をもつ」とも評される。」(サンケイ新聞2005年9月5日東京朝刊)

とのことです。

ちょうどフランスでは、ウトロー事件という集団児童性的虐待事件で、被害児童の証言を鵜呑みにし(?)、無実の人々を留置場送りにしていた予審判事に対して、国会調査委員会が設けられ、当該予審判事を聴聞するというニュースがありました。事件当時まだ若かったこの予審判事は「法に基づき職務を執行した」と証言しますが、国会議員の中にはこれほどの権力を与える予審判事制度を見直すべきとの話もあるようです。この事案と符合するかのような時期の公開です。

映画での予審判事の描かれ方は、まさにVIP扱いで、専用車あり、私邸の中にも護衛が付くというものでした。雑誌の表紙にも出てくる扱いです。(それで夫婦関係にヒビが入る様が描かれています。)。映画のHP(本映画専用HP)によると、「主人公は、次第に自らの権力が増大することに気付く。そして事件(ある会社の横領事件)の核心に触れるに従い、圧力のかかり方も増大していく。」

そして最後に、「どこまで彼女は自ら持つ権力をそれより大きな権力と衝突させることなく増大させていけるか?またどこまで生身の人間として権力への陶酔に耐えることができるのだろうか?」と問うてありました。

同じHPの中に主人公を演じた、Isabelle Huppertへのインタビューがあり、「私達のイメージとしては、予審判事は、警察機関とは異なり、匿名でいることを望まず、実際自分の存在を周知できる。また、彼らは自らの権力と確信の状況証拠を確たるものとすることができる。」と答えていたのが印象的でした。

日本では、今は行政のあり方の議論が盛んで、あまり司法権力(の判断はさておき、ですが。)のあり方について議論されることは少ないと思われます。フランスでの制度見直しが今後日本にも影響することがあるかもしれません。
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by vwpolopolopolo | 2006-03-05 17:30 | 日常生活